米国留学・公務員就活の参考情報

留学や国家総合職試験について「こういう情報が欲しかった」と思ったもののメモ

官庁訪問のまわり方・戦略(国家総合職)

目次

1概要

2日程

3実施内容

4まわり方・戦略

5私が実際にまわった省庁

 

1. 概要

国家公務員総合職の官庁訪問とは、2次試験合格発表後に行われる各省庁ごとの面接を言います。

(例)

f:id:calsummer:20220323231818p:plain

総合職試験採用情報|国家公務員試験採用情報NAVI (jinji.go.jp)

2. 日程

人事院のホームページを確認してください。

おおまかに3回チャンスがあり、それぞれ、受験できる資格が異なっています。

①7月頃の官庁訪問国家公務員試験に合格した人ならだれでもOK

最も受験人数が多い。(倍率が高い訳ではなく、採用枠が多い。)

人事院のホームページでは「総合職(春試験)」として説明があります。

※②③の官庁訪問については実施していない省庁もあるが、①の官庁訪問はすべての省庁が実施している。

②6月頃の官庁訪問=技術系区分の試験合格者向け

すべての省庁がこれを実施している訳ではないので、人事院のホームページをご確認ください。採用枠は③に比べると大きいです。

(参考)22年度実施省庁

警察庁総務省消防庁法務省国税庁文部科学省厚生労働省農林水産省経済産業省特許庁国土交通省環境省原子力規制庁防衛省、防衛装備庁

③10月、12頃の官庁訪問=法務区分・教養区分の試験合格者向け

人事院のホームページでは「総合職(法務区分・教養区分)」として説明があります。

採用枠がかなり少なく、あまりおすすめはしません。

3. 実施内容(2.①7月頃の官庁訪問の場合)

f:id:calsummer:20220323233813p:plain

出典:https://www.meti.go.jp/information/recruit/pamphlet/meti_sogo_naiteisya2021.pdf

5クール制で行われています。同じ省庁を同一クールの間に複数回訪問することはできず、第3クール、第4クール、第5クールはリセットされ、第1クール、第2クールの訪問順序に関わらず、任意の省庁を訪問できます。

第3クールの1日目に、「ほぼ内定」がもらえます。(正式な言い方は忘れましたが、「ほぼ内定」的なことを言われ、それ以降落とされることはないです。)

4. まわり方・戦略

第一志望=1日目

第二志望=2日目

第三志望=3日目

というのが大原則です!

2日目や3日目にまわった省庁に対して「御省が第一志望です」と言っても、100パーセント疑われます。

5. 私が実際にまわった省庁

〇1日目 経産省、2日目 金融庁、3日目 財務省

警察庁は第2志望だったので、2日目にまわろうかとも思いましたが、「1日目に訪問した学生からしか採用しない」という噂を聞きました。

そこで、警察庁採用担当の人に正直に「第一志望は経産省なので、経産省を1日目にまわりたい。警察庁は2日目からは採用しないと聞いて悩んでいる。」と相談したところ、「1日目に警察庁に来てほしい。そうでないと、そういうことだと理解します」という返答がありました笑 

もちろん、まったく2日目から採用されないわけではないのでしょうが、こういう考えの固いところとは合わないかなあと思い、訪問はやめました。

〇3日目の財務省はほぼまったく興味がなかったのですが、「財務省は3日目からでも毎年採用がある」と聞いていたので、1日目・2日目が落ちた場合の、滑り止め的ポジションとしてまわりました。

実際、財務省からは「ぜひ採用したい」というような評価をいただけたので、精神的に余裕ができ、まわってよかったと思っています。

朝から晩まで拘束される面接が3日連続あるだけで大変疲れたので、体力的には相当しんどかったです。3日目の官庁訪問は、精神的安定と体力的負担との兼ね合いで決めればよいと思います。

〇1日目・2日目のまわりかたは、純粋に志望度順で決めました。

経産省は2日目・3日目からも採用があるので、理論上は2日目・3日目にまわっても良いと思います。(1日目外務省(or環境省)、2日目経産省とまわる人が多い印象。)

1日目にまわっておくことのメリットは、だいたいの内定者の感じが分かることです。2日目・3日目からの採用があるとはいえ、どの省庁も、大半は1日目にまわっていた学生から採用されることになるため、1日目にまわっている学生の感じを見ておくと、おおよその内定者の感じもわかります。逆に、3日目にまわった省庁(私の場合は財務省)は、内定者の感じが全然わからないため、不安になります。この意味でも、なるべく志望度順にまわることをおすすめします。

〇私は最後財務省経産省とで悩みました。1日目にまわっていた経産省の内定者はおよそ分かっていたので、財務省の内定者の雰囲気と比較したい、と思い、大学の同期や、TAC(予備校)の同期に聞いて回りました。こういう時に予備校が役に立ったなと思います。

〇ちなみに、金融庁は第2志望でしたが、経産省財務省と比べて「ぜひうちに来てほしい」と強く言われることがなかったため、「あまり必要とされてないのかなー」と思い、最終的な選択肢からは消してしまいました。あとから当時の金融庁の採用担当の方に聞いたところ、「本当に採用する気だったので悲しかった」と言われたので、純粋に省庁のカラーの問題だったのかなとも思います。(経産省財務省はめちゃくちゃ押しが強い)官庁訪問中は、いろんな人がいろんなことを言ってきますが、惑わされず、冷静に、自分は何をしたいのか、それをこの省庁でやれるのか、を見極めることが重要です。

官庁訪問の難しいところは、「いい線までいって、最後に落とされる」場合です。

各省庁、採用人数は〇人、と最初に決まっています。たとえば、採用人数が20人と決まっている場合、各省庁は、20人+αを第3クールに招待します。

私の場合、経産省財務省の両方から、第3クールに来てほしいと言われました。学生からすると、どちらか片方を選ばなければならず、省庁からすると、その学生が第3クールに来てくれるかは、2分の1の確率な訳です。ということで、省庁側は、「採用枠の人数よりも少ない学生しか第3クールに来なかった」という事態を防ぐため、必ず採用枠+αを招待します。

そのため、第3クールに呼ばれること即ち「ほぼ内定」ではありません。第3クールに採用人数+αが呼ばれ(たとえば30人)、そのなかで実際に第3クールに来た学生(たとえば25人)のうち、採用人数枠を超えてしまったぶん(25-20=5人)は、落とされます。

第3クールで落とされた5人は、落とされた時点で急いで他の省庁にいっても、ほかの省庁も採用人数に対する「ほぼ内定」を出し終えているため、もう採用してくれることはなく、結局どの省庁からも内定をもらうことなく、終わってしまうことになります。(理不尽ですね)

明確に「あなたは採用するかしないかのボーダー上にいるので、第3クールに招待しますが、「ほぼ内定」が出せるかは明言できません」というようなことを言われることもあるようです。この場合、第3クールでその省庁に行くかどうかは賭けです。

どの省庁でも良いから確実に内定が欲しいのか、内定を出してくれるか怪しくてもその省庁に賭けてみたいか、自分の気持ち次第です。

最後ダメだった場合、翌年も官庁訪問にトライするという手もあります。2度目の官庁訪問で採用されることも少なくありません。

 

以上、基本的な考え方をまとめたつもりですが、

官庁訪問はどう準備をしても、どう戦略をたてても、最後ぜったいに悩むもの。

最後悩んだ時は、友達や先輩、親や先生などに相談しながら、えいやっと直感で決めるのがおすすめです。

直感が間違っていたとわかったら、転職しましょう!結局のところ、実際に働いてみないと、そこが自分に合っているかなんて分からないものですから。