内定後の流れ
①官庁訪問最終日に、いわゆる内々定の旨を口頭で通知されます。
その後、ほかに内々定をいただいていた民間企業に、お断りしましょう。
※官庁訪問中、省庁から内々定の通知をされる前に、「他に内々定をもっている企業があれば、先に断っておけ」と言われる可能性がありますが、従う必要はありません。
②10月1日(内定解禁日ルールが変われば、日付も変わる可能性あり)に、内定式が各省庁で行われます。およそ1~2時間で終了します。
服装や持ち物は、メール等であらかじめ連絡があるはずですが、基本的にはスーツで、学生証と印鑑を持っていくことになるはずです。
③年末か、翌年の年初までに、入省に向けた必要手続きがあります。
メインは、マイナンバーカードの取得です。マイナンバーカードが社員証代わりになり、入館ゲートにタッチして通過することになります。
そのほか、給与口座の登録などがあります。
④就職イベント(学生向け説明会)のお手伝いに駆り出されます。
出身大学で実施する学生向けPRイベントに出席して、学生の疑問に答えることや、会議室を予約することなどを求められました。
無償なので、嫌であれば断ることも可能です。「お手伝い」であれ不参加であることが、入社後に何らかの影響を与えるようなケースにあっては、賃金が必要なのがルールです(公務員だけでなく民間もそうです)。
(参考)内定者に就職イベントなどで無償のお手伝いをしてもらうことは問題があるのでしょうか?(人事労務Q&A)|人事、採用、労務の情報ならエン人事のミカタ (en-japan.com)
⑤タイミングは人それぞれですが、入省前面談が年末~翌年初にかけて行われます。
省庁や、年ごとに、内容やタイミングは異なると思いますが、
「入省理由」「配属先希望」「考慮してほしい私的な事情」についての面談をすることが多いと思います。
この3つについて、書き方のポイントは以下のとおりです。
入省前面談の準備
①入省理由
官庁訪問のときに話していた内容と違うことを書いてもOKです。
「官庁訪問の後にこういう経験があって、もっとこういうことをしてみたいと思った」等、変わった理由を説明できれば問題ありません。
どこに配属されたいかを先に考えて、それに合うストーリーにすると良いでしょう。
②配属先希望
(1)配属先を決める
一応、
・各省庁のHPに、各課の業務内容が掲載されています
・気になる政策があれば、そのプレスリリース資料をみれば、どこの課が担当しているかが分かります
こうしたオープンソースをもとに、配属先の希望を決めても良いと思います。
ただ、どうしても、具体的なイメージが湧きづらいかなと思いますので、先輩に相談するのがベストです。
大学の先輩でも良いですし、国家公務員を目指す学生と社会人をつなぐ取組を行っている団体もありますので、こちらに連絡するのも良いかなと。
×KASUMI | 公務員を目指す、全ての人の力になる (xkasumi.com)
先輩には、以下を中心に相談するのが良いと思います。
・自分がやりたいことは、どこの課でやれそうか
・どのくらい忙しいか
…世間的に注目の高いことを担当している課ほど、忙しくて、1年生は雑用に追われることが多いです。とはいえ、立派な上司が多く、勉強になる可能性も高いので、一長一短です。
・課の雰囲気
…これはぜひ聞くべきですが、課長のキャラによって結構変わります。課長はだいたい2年ごとに交代するので、入省した後も同じ課の雰囲気かどうかは、分からないです。
・1年生・総合職のポストがあるのはどこか
…「〇〇課は、毎年1年生は一般職が配属される」「××課は、1年生はとらない」「▽▽課は、毎年総合職の1年生が配属される」というように、課によって、1年生のポストがあるかどうかが異なっています。
※まれに、「〇〇課には、去年は一般職の1年生が配属されたが、今年は総合職の1年生が配属された」という風に、変更がある場合もありますので、去年ポストがなかったからといって、完全に諦める必要はありません。確率的には低いと思われます。
(2)配属先の希望理由を書く
・入省理由と紐づける
・自分が大学で勉強してきたことと紐づける
のどちらか(できれば、どちらも)ができると良いです。
”日本の課題は…。それを解決するためには~~が必要。それができる〇〇課でこんな政策に携わりたい。▽を学んできたことを生かして、こんなふうに貢献できると考えている。”というのがテンプレートです。
ちなみに、私は配属希望ドンピシャの課に配属してもらえました。
1年目が希望どおりの配属でなくとも、2年目以降で希望が通る場合もあります。諦めずに、自分の行きたい課を主張し続けると良いです。
なお、都市伝説的に、「財務省は、入省ときには、だれが次官になるかが大体決まっているし、異動コースもなんとなく決められている」という話があります。さすがに、誰が次官になるかまでは決まってないと思いますが、やはり、内定段階で、人事が「この人は海外系の人材だな」とか、「この人は法律系の人材だな」とか思って採用しているのは間違いないです。そういう人事側のイメージと大きくずれるような配属先を希望しても、とおらない場合があります。内定した後に悩んでもしょうがないですが、就活時のイメージ戦略は大事ですね…。
(私は、10/1の内定式の後の飲み会で、人事に「私って、何課にいそうですか??」と聞きました。その時に人事から「〇〇局とか××局にいそうだよね~」と言われた、そのとおりに配属され続けています笑)
③考慮してほしい私的な事情
親の介護、配属者や子どもの有無、体調・体力について言及すると良いでしょう。そのほかの内容でもOKです。
私は、「いつか民間企業への出向をしたい、海外留学も希望」と書きました。今後のキャリアへの考え方を書いても良いと思います。
面談の際には、「体力に自信があるか」と聞かれることが多いです。特に大学でスポーツをやっていた人は、体力を使う忙しいポストに配属されるおそれがあります。もし、体力に自信がない場合には、きちんとその旨を主張した方が良いです。仕事で忙しいポストというのは、つまり、寝る時間がないポストだと思ってください。短距離走的な体力がある人でも、ロングスリーパーであれば、向きません。「自分は×時間は寝ないと、体調を崩すことがあります」ときちんと説明しましょう。まずは体調が第一。その次に仕事です。